フジドリームエアラインズ富士山静岡空港に降り立ち、蒸気機
関車(SL)運行のメッカ大井川鉄道へ。鉄道ファンならずとも心浮
き立つ初夏の旅に出かけましょう!

フジドリームエアラインズはチャーター便の運航が累計で2000便
に達したことを今月6日に発表しました。この日朝8時30分に島根県
の出雲空港を出発したJH5571便は10時38分に北海道・稚内空港
に着陸した。同社では定期便では乗り入れていない空港へのチャーター
便を多く手がけていますが、これはエンブラエル170という座席数
76席のコンパクトな機体が、集客において有利に働いているものと
思われます。5571便のような発着地の設定は定期便ではまったく
考えられないパターンですが、特定日にだけ集客を集中できる
チャーターならではの離れ業とも言えるでしょう。

大井川鉄道の旅は富士山静岡空港からも近いJR東海道線の金谷駅
から始まります。SL機関車トーマス号で有名になった感もある同社
ですが、蒸気機関車の動態保存(実際に運行しながら保存すること)
では先駆者的な存在で1976年からもう40年も続いているのです。
もちろん現在も毎日運行されています。大井川鉄道は金谷から千頭
までの大井川本線39.5kmと千頭から井川までの井川線25.5km
の2路線65kmとローカル私鉄としては長大な路線規模を誇ってい
ます。

SL列車の始発駅は金谷駅のひとつ先の新金谷駅。ここからSLの終点
である千頭まで乗車券1,720円、SL急行券が800円で合計2,520円。
SL列車は急行扱いになっており、少し高いような気がしますが観光鉄道
の維持費と考えましょう。
機関車はC-10形、C-11形、C-56形の3機種のいずれかが旧式客車を
けん引します。客車内部は木製の座席に青色のモケットが往時を偲ばせ
ます。天井には扇風機も。黒煙をなびかせながら出発進行!しばらくは
田園地帯を快走します。明け放した車窓からは石炭の匂いも入って来て
レトロ気分も高まります。やがて右側の車窓に大井川の雄大な流れが現れ
ます。またあちこちに静岡らしい茶畑も散見されます。約30分で家山駅
に到着。停車時間があるので下車して列車の撮影などができます。新金谷
駅で仕入れて来た名物駅弁を広げる人もいます。家山駅を発車するとやが
て大井川を渡り川の景観は左側の車窓に移ります。大井川はと
にかく河原が広い!かなり上流まで来ているのに川が狭まる気配が
ありません。始発から約1時間20分ほどで終点の千頭駅に到着
となります。尚大井川鉄道ではSLの他に、南海や近鉄、京阪など
からのお下がり車両も活躍しています。

千頭から井川までの井川線は大井川線とはまったく異なる山岳
鉄道のおもむきになり、別の鉄道と考えた方が良いようです。
井川線についてはまた改めてご紹介しましょう。